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遠い日の約束。
第1章 運命の出会い
「華のせいじゃない…。」

春馬は私を抱きしめて、背中を優しく擦る。
だけど、その手はもう私の物ではない。
その手が握るものは他にできてしまった。
私は春馬の身体に手を当てて身体を放した。

「今日は…帰って…お願い」

「華…」

私は首を横に振り、春馬を拒絶する。
心優しい春馬が私を捨てられるわけがない。
冬が怖くて震える私を見放すことはできないと分かっていた。

「本当に…帰って…」

私の意志が固いのを悟ってか、春馬は何を言わずに部屋をでていった。
パタリと扉が閉まる音がする。
それは私と春馬の関係が終わる音。
全てを拒絶する冷たい音だった。
私は、そこでやっと声をあげて泣いた。
子供のように全身を使って泣いた。
その泣き声を扉の外で春馬が聞いていたとも知らずに泣き続けた。
そして、泣き疲れた私はそのまま眠りに落ちていた。
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