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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
「後片付けは私がするから…華はこのまま寝ていいよ」

ベッドの端に腰を落として私の頭を撫でる。

「…このままでいいの?」

まだ元気だよと主張してる俊樹のモノに手を添えて聞くと、俊樹の顔が優しく微笑んだ。

「うん…大丈夫…。…ごめんね…最近無理させてるよね」

「そんなことは…」

ないとは言い切れなかった。
毎日の事に、身体も限界に近かった。
それによって、私が避けているのも俊樹は気がついていた。

「今日は抱かないって決めてたけど…抱きしめたら全てが欲しくなった…。ごめん…最後までしなかったけど…付けずにした…ごめん」

握っている俊樹のモノに隔たりがないことに言われて気がついた。
俊樹が用意しない限り、キッチンでの行為にゴムが付けられるわけがない。
それほどまでに私を欲し、不安にさせていると思うと愛おしくなる。
それだけ私を愛していることなんだと改めて自覚すると無性に抱きしめたくなった。
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