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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
気だるい身体を起こして俊樹にだきついて甘えた。

「俊樹…愛してる…。私が愛してるのは俊樹だけだから。」

「うん。私も華のこと愛してる…このまま腕の中に閉じ込めてしまいたい程…愛してる」

その独占欲は嫌いじゃない。
私の全てを俊樹にあげたい。
できることならこの腕の中に閉じ込めて欲しと私も思う。

「いいよ…私も閉じ込められたい…俊樹しかみないで良い生活送りたい」

「近いうちに…そうしよう…私だけしか見ない華にしてあげる」

それはプロポーズのように聞こえた。
だから顔を離して俊樹の瞳を見れば、真っ直ぐに私を見つめていた。

「近いうちに…きちんと言うから…それまで待ってて」

やっぱりプロポーズだった。
だけど、きちんと言うということは、また違う形で言ってくれると言うこと。
なにかサプライズでも考えているのかと思うと心は踊った。

「待ってる…」

そう返せば、笑って唇が重なった。
だけど重なるだけで次に進むことはない。
片付けると言った俊樹はそのままベッドの中に潜り込み私を抱きしめて眠りにつくことにした。
俊樹の匂いに包まれながら今日も安らぎの世界へと誘われた。
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