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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
───…
今日は晴天で温度も高くて絶好のお花見日和だった。
朝一番でブルーシートとお昼に食べるお弁当と飲み物を持って場所取りに向かった。
場所は去年と同じ場所が確保でき、春馬にお願いして社内で一斉メールをしてもらう段取りだった。
ここから夕方17時まで…何もすることなく時間が過ぎていく。
高宮くんと交代で場所を離れて時間をつぶす。
ブルーシートさえ張っておけば人はいなくていいのだけど、数年前に誰もいない時に場所を取られたことがあったらしく、それからは誰かが場所取りでその場にいることになった。
ちょうど12時を過ぎた頃、温かいスープとお茶を持って春馬と俊樹が顔を出してくれた。
「日中は暖かいって言っても寒いだろう?」
お願いもしていないのに手渡された暖かい物を手にして、ホッと一息ついた。
「はい。少し寒かったから…」
そう言うと、片手を春馬に取られてハァーと息を吹きかけられた。
暖かいけど…俊樹の視線が怖い…。
それを分かってやっている春馬はいじめっ子のガキ大将だ。