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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
シュンとしていると俊樹が私の横に並んで歩いてくれた。

「部長からふたりで買い出しにでかけたって聞いて慌ててきたんだよ…私より…三宅さんの方が慌ててたかな」

不思議に思って俊樹の顔を見ると、彼の表情も曇っていた。

「心配したよ…何もないと分かっていてもね…夜に男とふたりっていうのはね…」

「私も…篠原さんと早坂さんの間にいる俊樹を見るのは嫌…だから…逃げたかった…」

先ほど思った事を口にする。

「うん…ごめん…」

ふたりの間に気まずい雰囲気が流れた。
こんなこと一度もなかったのに、少し寂しくなった。
そう思ってると前の方で春馬と高宮くんの言い争う声が聞こえてきた。

「わざわざ来てやったのに、その言い方なに?」

「誰も頼んでいません」

「…俺たちが来なかったらどうするつもりだったんだ?草野頭かかえてたろう?そんなことも気付かないのか?」

「どうにかなりました」

「重いもの草野に持たせて、お前平気なんだ…。…もう少し大人になれよ。無理だと分かったから部長は俺たちを行かせたんだろう?草野。お前もだ」

春馬が私の方に振り返って、いつもより冷たい言葉を投げつけてきた。

「飲み物だから重いの分かるだろう。なんのための俺たちだ…。」
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