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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
吐き捨てるように言うと一人で先に行ってしまった。
あんな言い方を私にするのは初めてで戸惑う。
「最近…調子悪いみたいだよね…それにイライラしてるし」
「うん…あんな春馬始めて見た」
俊樹も春馬の様子がおかしいのに気がついていたのか心配そうな視線を、春馬が消えてしまった方向に向けた。
「あんな言い方…草野さん…俺のせいでごめんなさい」
高宮くんに追いつくと、彼は反省したのか元気がなくしょんぼりとしていた。
持てると思ってふたりで行こうと決めた私の責任なのに新人の高宮くんが落ち込んだ。
「そうだね…私たちに声をかけるべきだったね…。でも、あれでも心配してるんだよ。今年は例年より多かったようだし…もう少し気にするべきだったってね。高宮くんも、無理なら無理と言わないとね。その為の仲間だよ。」
俊樹が優しくフォローを入れる。
「でもあれは、私がふたりで行こうって言ったの…彼はそれに従っただけだから」
「うん…それも分かってる。だけどね。自分が女の子だってこと自覚してね。重たいものは男性に運ばせたらいいから…」
社内では重たいものは運ばせてもらえない。
少しでも重そうなら誰かが代わりにやってくれる。
それは部長命令に近かった。
だから、部長はふたりに手伝うように指示を出した。
「はい…高宮くんごめんね。でもつきあってくれてありがとう」
みんなが宴会をしている場所が見えたので話を終わらせた。
あんな言い方を私にするのは初めてで戸惑う。
「最近…調子悪いみたいだよね…それにイライラしてるし」
「うん…あんな春馬始めて見た」
俊樹も春馬の様子がおかしいのに気がついていたのか心配そうな視線を、春馬が消えてしまった方向に向けた。
「あんな言い方…草野さん…俺のせいでごめんなさい」
高宮くんに追いつくと、彼は反省したのか元気がなくしょんぼりとしていた。
持てると思ってふたりで行こうと決めた私の責任なのに新人の高宮くんが落ち込んだ。
「そうだね…私たちに声をかけるべきだったね…。でも、あれでも心配してるんだよ。今年は例年より多かったようだし…もう少し気にするべきだったってね。高宮くんも、無理なら無理と言わないとね。その為の仲間だよ。」
俊樹が優しくフォローを入れる。
「でもあれは、私がふたりで行こうって言ったの…彼はそれに従っただけだから」
「うん…それも分かってる。だけどね。自分が女の子だってこと自覚してね。重たいものは男性に運ばせたらいいから…」
社内では重たいものは運ばせてもらえない。
少しでも重そうなら誰かが代わりにやってくれる。
それは部長命令に近かった。
だから、部長はふたりに手伝うように指示を出した。
「はい…高宮くんごめんね。でもつきあってくれてありがとう」
みんなが宴会をしている場所が見えたので話を終わらせた。