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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
───…
お花見も無事に終わり日常が戻ってきた。
年度始めは営業は目の回る忙しさで、俊樹は接待で遅くなので私も少し残業をして帰ることにした。
夕食はいらないと言っていたので何を作ろうかと考えて歩いていると、高宮くんに声をかけられた。
「草野さん。ごはん食べて帰りませんか?お花見の打ち上げしましょうよ。部長に行って来いってお金もらってきました。」
一万円を出して部長からもらったと強調する。
にこやかに話す高宮くんを、やっぱりかわいいと思う。
私のミスで春馬から怒られる羽目になったわけだし、その埋め合わせも兼ねて打ち上げに行くことにした。
私を連れて行きたいお店があるというので任せることにした。
そこは高宮くん知り合いのバーだった。
料理も美味しいと人気の店だと聞き全て高宮くんにお任せして、飲み物もアルコールの低いものを頼んだ。
少し待てば緑色の鮮やかなカクテルとビールが運ばれてきて乾杯した。
私のカクテルはグラスホッパーという名のチョコミントの匂いがするアルコール低めのカクテルだった。
それをチビチビと飲みながらパスタやアヒージョを堪能する。