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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
「やっ…やめて…」

やっとのことで高宮くんの身体を押し退けて嫌だと告げると、彼はニコリと笑った。

「嫌なんですか…でも身体は反応してるでしょう?」

「何言ってるの??反応なんて…アッ…」

否定しようとした瞬間に、洋服の上から胸を触られ甘美な声をあげた。
高宮くんの言うとおり身体はなぜか快楽を求めていた。
身体の芯から出る熱は興奮している時と同じだった。
俊樹を欲しくて欲しくて仕方がない時と同じ熱が、今、私を襲っていた。

「ねっ…感じてるでしょう?感じないわけがないんですよ」

先程まで優しかった笑みが、いつしか違う笑いに変化していた。
それは私が知っている高宮くんの笑顔ではなくなっていた。

「聞き分けが良い子は好きだよ。草野さん…いや…華…ずっと華とこうなる日を夢見てた…」

彼の手がスカートの中に入りショーツの上から何度も往復して刺激を与えてくる。
そのたびに、感じたくもないのに身体は反応して涙が溢れてくる。
そして心の中で俊樹に謝ることしかできなかった。
抵抗できない状況でも、これは裏切りでしかないのだと、もう俊樹に顔向けができないと心を閉ざしたくなった。

「アアアッンンンンン…」

ショーツの上から撫でていた手は、予告もなく私の中に入ってきた。
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