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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
その瞬間、矯正をあげ、その声は彼の口の中に吸い込まれていった。
何度か私の中を掻きまわすと、私の反応で一番いい場所を見つけ出す。
気持悪い程に責められて嫌悪感しかないのに身体はイキたくて、心と身体がちぐはぐで壊れそうだった。

「我慢しないでよ。本当は俺のでイカせたいけど、今はこれで我慢して。後で俺のでイカせてあげるから」

「ヤッ…やめて…アッ…やめ…て…」

グジュグジュという音と共に高められている身体は、もう私の物ではないようだった。
俊樹ではない人に身体を弄ばれて、イカされるなんて死んだ方がまし…

そう…死にたい…
このまま死んでしまいたい…

高まる身体と反比例して私の心は地に落ちていく。

「お客様…」

ふたりだけの空間に、言葉が割り込み悪夢はいったんおさまる。

「なんだよ…」

イライラを募らせ、いつもより低い声で口を開くと外にいた人物が小さい声で話してきた。

「他の人もいるからほどほどに…それ以上やるならホテルに行きなよ。そっちの方がお前もいいだろう」

高宮くんはチッと舌打ちをして私の中から指を抜き、洋服を正して何もなかったかのように振舞う。

「華は欲しがりだぁ…そんなにふたりがいいならホテルに行こう?いっぱい可愛がってあげる」

他の客に聞かせるようにわざと大きな声で話す。
その声で、ざわついていた店内は静まり、ただのカップルのいちゃつきだと誰もが思っていた。
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