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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
「こんなところで何してる?…草野、大丈夫か?」
私の目の前に現れたのは春馬だった。
うつろな目で春馬を見つめると私の異変に気がつく。
「どうした?…大丈夫か?」
高宮くんを押しのけ、私の頬に触れた。
「アッ…」
それだけなのに私の身体は反応して、春馬に縋りたくなった。
「…華…?」
春馬が華と呼ぶ。
ダメだよ。
高宮くんがいるのに名前で呼んじゃ…
といいたけど言葉にならなかった。
「…部長に打ち上げに行ったらと言われて…草野さんがこんなに弱いとは思わなくて…悪いことをしました…今から送って帰るところなんですよ。」
取り繕うかのように嘘を並べる。
きっと部長は打ち上げに行けとは言ってはいない。
あの心配性の部長が、ふたりだけで飲みに行けというはずがなかった。
最初に気がつくべきで、油断した私が悪かった。
まさか、彼がこんなことをするとは思いもしなかった。
「そうか…で?お前は草野の家知ってるのか?それに逆方向だよな?お前の家とは」
春馬がいつにもまして冷たい口調で彼を尋問する。
何かおかしいと気がついている。
私の目の前に現れたのは春馬だった。
うつろな目で春馬を見つめると私の異変に気がつく。
「どうした?…大丈夫か?」
高宮くんを押しのけ、私の頬に触れた。
「アッ…」
それだけなのに私の身体は反応して、春馬に縋りたくなった。
「…華…?」
春馬が華と呼ぶ。
ダメだよ。
高宮くんがいるのに名前で呼んじゃ…
といいたけど言葉にならなかった。
「…部長に打ち上げに行ったらと言われて…草野さんがこんなに弱いとは思わなくて…悪いことをしました…今から送って帰るところなんですよ。」
取り繕うかのように嘘を並べる。
きっと部長は打ち上げに行けとは言ってはいない。
あの心配性の部長が、ふたりだけで飲みに行けというはずがなかった。
最初に気がつくべきで、油断した私が悪かった。
まさか、彼がこんなことをするとは思いもしなかった。
「そうか…で?お前は草野の家知ってるのか?それに逆方向だよな?お前の家とは」
春馬がいつにもまして冷たい口調で彼を尋問する。
何かおかしいと気がついている。