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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
「華…大丈夫か?」

春馬の手が私の頬に触れた瞬間、身体は大きく痙攣した。
イキそうでイケなかった身体は敏感に感じ触れられただけでもイキそうになる。

「あいつに…何された?…どれだけ飲まされた?」

「アッ…」

髪を撫でられても感じてしまう私の身体。
このまま…ここで春馬に抱いてほしい。
春馬だったら嫌じゃない…
そんな思いが込み上げてくる。

「花見の…打ち上げ…部長が…お金…」

息が上がり朦朧とする中、必死に口にする。
単語単語で伝わるか分からない。

「アルコール弱いって…アレキサンダー?とかグラスホッパーとか…色々」

「華…それ…アルコール弱くないぞ」

その言葉に愕然とした。
カクテルを作ってくれた人もアルコールは弱いと言った。
高宮くんとグルだったと分かり怖くて身体が震えた。

「飲まされたのはそれだけか?」

私は首を横に振って、言葉を搾り出す。

「媚薬…って言った…身体…熱い…春馬……助けて…」

春馬の腕を握りしめて懇願した。
言葉にできなかったけど「抱いてほしい」と。
春馬は何も言わずに抱きしめてくれた。
その温もりと触れる手が私を高みに連れていく。

「アアッ…春馬…」
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