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遠い日の約束。
第11章 情と愛
「お弁当渡すだけにするよ」

「いやっ…ごめん…。私は大丈夫だから、ちゃんと全部食べたか確認しておいてね。」

無理やりに笑顔を作り、何もなかったかのように私を抱きしめる。
俊樹が、それ以上言わないのなら私はそれに従う。
お弁当を持っていくのは俊樹からのリクエスト。
気にはなっていたけど、自分からはするつもりはなかった。
だから、俊樹の方から言ってくれてよかったと思う。
春馬の事は私もずっと気になっていたから。
春頃から春馬の様子は変だったら。
花見の時の買い出しの時の、あの物の言いようは初めてでびっくりした。
それから少しずつ春馬は笑わなくなった。
いつものように俊樹をからかい、私を気にかけてくれていても、フトした瞬間に寂しそうな顔をする。
それだけならまだ良い。
今月にはいって、他の人が見ても分かるぐらい痩せてきていた。
社内にいるときに、お昼を食べる姿を見ていない。
外に食べに行っているわけでもなく、机につっぷしたりして時間をやり過ごしていた。
そんな春馬を俊樹は何度か連れ出して飲みに行ったりしてたけど、理由は教えてくれなかったらしい。
だから、最後の手段で私にお弁当をってなったんだろう。
私のお弁当だったらきっと食べてくれる。
そう信じて明日はお弁当を頑張ろうと思いながら、暖かな俊樹の腕の中で眠りについた。
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