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遠い日の約束。
第11章 情と愛
弱々しく吐き出された言葉は、先ほどの冗談では済まされない重さを感じた。
行けば何もないわけがない。
良い大人が、ただおしゃべりをして時間を過ごすわけがない。
そう分かっていても、今の春馬を一人にすることは出来なかった。
ついて行けば、後戻りはできないと分かっていても…
私は、頷いた。
どうしてか、春馬は寂しそうに笑って私と一緒にタクシーに乗り込んだ。
行先を告げられたタクシーは夜の街を走りすぎる。
しばらく行けば懐かしい風景が流れ始めた。
2年前までよく通っていた道に懐かしさを感じた。
ふたりで入った洋食屋、レンタルビデオ屋、カラオケBOXといまだに変わることのない風景が時を巻き戻していく。
大好きでたまらなかった春馬は横にいる。
何度、こおやってタクシーに乗り春馬の家に向かっただろう。
そんな風に物思いにふけっているとタクシーは止まった。
先に降りた春馬が私に手を差し伸べる。
春馬を見上げると複雑は表情をしていた。
「これが…最後…帰るなら今…」
そう言われて躊躇した。
これが最後。
この手を取ってしまえば、俊樹を裏切ることになる。
行けば何もないわけがない。
良い大人が、ただおしゃべりをして時間を過ごすわけがない。
そう分かっていても、今の春馬を一人にすることは出来なかった。
ついて行けば、後戻りはできないと分かっていても…
私は、頷いた。
どうしてか、春馬は寂しそうに笑って私と一緒にタクシーに乗り込んだ。
行先を告げられたタクシーは夜の街を走りすぎる。
しばらく行けば懐かしい風景が流れ始めた。
2年前までよく通っていた道に懐かしさを感じた。
ふたりで入った洋食屋、レンタルビデオ屋、カラオケBOXといまだに変わることのない風景が時を巻き戻していく。
大好きでたまらなかった春馬は横にいる。
何度、こおやってタクシーに乗り春馬の家に向かっただろう。
そんな風に物思いにふけっているとタクシーは止まった。
先に降りた春馬が私に手を差し伸べる。
春馬を見上げると複雑は表情をしていた。
「これが…最後…帰るなら今…」
そう言われて躊躇した。
これが最後。
この手を取ってしまえば、俊樹を裏切ることになる。