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遠い日の約束。
第11章 情と愛
私も何と言って声をかけていいのか分からず眠ったふりを続けた。
やっと動いた俊樹は私の布団に潜り込み、いつものように私を抱きしめた。
その手が服の中に滑り込み胸を優しく包み込む。
首筋に埋めている顔を離し、舌で首筋を撫でると身体はビクッと反応した。
春馬と同じ場所に舌を這わせる俊樹に罪悪感だけが込み上げてくる。
どうしていいか分からず、寝たふりを続けていると、手がスカートの中に入りショーツの上を撫でまわし私の中に入ってくる。
濡れてもいない秘部は痛みだけが伴い、裏切った罰のような気がしてならなかった。
ゆっくりと何度も出し入れをしていると次第に濡れはじめ、痛みは和らいでいった。
だけど素直に受け入れることなどできなかった。
快楽に溺れてしまうことなんて、今の私にはしてはいけない事なのだと逃げるように身体を硬直させた。

「華…逃げないで…」

耳元で囁かれれる声に心が鷲掴みにされた。

「三宅さんに…心を持っていかれないで…」

その一言に、俊樹はなにもかも気がついていると思った。
そして、この部屋で何が起きたのかも気がついている。
私が寝た振りをしているのも知っているんじゃないかって思ってしまう。

「華…」

最後に、私の名前を呼んで肌に触れている手を離して洋服の上からただ抱きしめる。
何もなかったかのように俊樹は眠りに落ちて行った。
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