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遠い日の約束。
第12章 それぞれの想い
頑なに自分の思いを曲げようとしない私に部長は溜息を付く。

「立花が…かわいそうだな…」

部長が冷ややかな声で言った。
びっくりして部長を見れば、その瞳も冷ややかだった。
初めて向けられた冷たく突き放した瞳だった。

「草野がそれでいいのなら今日中に家をでていけばいい…お前の気持ちが変わらないのなら話し合いをしても同じだろう…。……同じ仕事場も都合悪いだろうから…あいつはニューヨークに戻すよ。それまで、お前は他の階で仕事できるように手配する。もし立花の為を思うのなら今後一切かかわるな。姿も見せるな。声も聞かせるな」

ピシャッと言われ、流れていた涙も止まった。

「部長!!」

春馬が部長に何かをいいかけるが、手でそれを静止した。

「同僚でもなくなり友達でも知り合いでもなくなる。そして立花の中からお前は消えてなくなる。立花を思うならそうしてやれ。お前のいない人生を送らせてやれ。中途半端にかかわるなよ。それは俺が絶対に許さない」

部長の言葉が私の心の中に入ってくる。
俊樹の中から私がいなくなる…
知り合いでいることさえ許されない…
私と俊樹の接点が無くなる…
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