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第12章 それぞれの想い

「ええ。そして私は世界一の幸せ者だと思っていますよ。華ちゃん…愛のカタチは人それぞれですよ。感じ方も違う。絹子が経験した過去を毛嫌いする人もいる。だけど私はそんな絹子を愛している。手離せないほどにね…。…普通だったら許せない事でも、春馬さんは裏切った奥さんの事を全て受け入れて愛することを決めた。華ちゃんは裏切ったかもしれない。それを許せないという人もいるかもしれない。だけどね。きっと俊樹さんはそういう人じゃない…分かってるよね」

その言葉で漸く、翔さんが絹子さんの過去を話した理由を理解した。
絹子さんのことは、簡単に話せることじゃない。
なのに私に話したのは、人それぞれ想いや感じ方が違って、答えは一つじゃないと私に言いたかった。
私がしたことは許されることじゃない。
だけど、それを俊樹が許して受け入れてくれるのなら…私は共に生きていってもいいのだと教るために…
私は…許されるなら傍にいたい。
俊樹の幸せを、ずっと傍にいて見続けて行きたい。
俊樹は許してくれるだろうか…
私の口から全てを話しても俊樹は私を愛してくれるだろうか…