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遠い日の約束。
第12章 それぞれの想い
「人それぞれだからな…草野…幸せになりたかったらがむしゃらに向かって行け。何度も行ってるが、貪欲になれ!人は嘘もつくし、裏切るし醜い。けどな、それよりも上回るのが愛だ!見苦しくてもいいから欲しいものは自分の手で取りに行け」
部長が私の頭をワシャワシャとしながら励ます。
私はただ頷いて三人の言葉を噛みしめる。
そして自分の中のモヤモヤが消えていたのに気がついた。
ずっと悩んでいたことが泡のように消えていた。
「華…鳴ってる…立花じゃないのか?」
椅子に掛けているバックの中からブルブルと震える音が聞こえてきていた。
慌てて出してみると、俊樹からだった。
「正直な気持ちを伝えてやれ。それがお前がしてやれる第一歩だろう?」
そう言って、三人はスッと私の周りから遠ざかっていった。
私は通話ボタンを押して耳に宛てた。
『華?』
数時間前に聞いた声なのに懐かしく感じる。
久しぶりに聞いたような錯覚さえ感じた。
それだけ、私の心はあの家になかったと言うことだった。
『華?聞こえてる?』
返事もしない私を心配する俊樹の声にどこがホッとして涙が溢れ出る。
『華?どうしたの?泣いてるの?華?』
相変わらず、私の反応に敏感で優しい。
部長が私の頭をワシャワシャとしながら励ます。
私はただ頷いて三人の言葉を噛みしめる。
そして自分の中のモヤモヤが消えていたのに気がついた。
ずっと悩んでいたことが泡のように消えていた。
「華…鳴ってる…立花じゃないのか?」
椅子に掛けているバックの中からブルブルと震える音が聞こえてきていた。
慌てて出してみると、俊樹からだった。
「正直な気持ちを伝えてやれ。それがお前がしてやれる第一歩だろう?」
そう言って、三人はスッと私の周りから遠ざかっていった。
私は通話ボタンを押して耳に宛てた。
『華?』
数時間前に聞いた声なのに懐かしく感じる。
久しぶりに聞いたような錯覚さえ感じた。
それだけ、私の心はあの家になかったと言うことだった。
『華?聞こえてる?』
返事もしない私を心配する俊樹の声にどこがホッとして涙が溢れ出る。
『華?どうしたの?泣いてるの?華?』
相変わらず、私の反応に敏感で優しい。