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遠い日の約束。
第12章 それぞれの想い
「お前たちが付き合い始めたことを伝えてに来たろう?あの時は、本当に嫁に出す心境だったよ…俺であんなんだ。お前の父親はもっと寂しいだろうなと感じたよ…。あまり帰ってないんだろう?たまには帰って親孝行してやれ。顔を見せるだけでも喜ぶだろう?」

部長の言葉は胸に刺さる。
帰る帰るといいながら帰れていない。
俊樹と一緒に居る方が楽しいから、あのGWから一度も帰っていなかった。
だから今週末は帰ろうと思っていた。
ちょうど、彩ちゃんも帰ってきてるから。

「実は…明日帰ろうと思ってました…姉が戻ってきてるので会いに…」

「お姉さんに会うついででもいい。顔見せればそれで安心するもんだ。?それに孫までいたらもっとな……心が落ち着いたばかりだが…結婚、考えているんだろう?」

「はい…近いうちに、きちんと言うって言ってくれました…よくはわからないけど、何かがあるんだと思います…言ってはくれませんが…」

時たま見せる、悲しそうな表情。
過保護なほどに私の心を守ろうとする想い。
初めは小さい頃の出来事かと思ったけど、もっと違う…何かが俊樹に枷を強いらせている気がしていた。

「それを知りたいと思うか?」

部長の問いに、私は首を縦に振る。

「話さないってことは、私が知らなくていい事なのかもしれない…けど、私は立花さんの苦しみを知って寄り添いたいと思ってます…それがどんな過去でも想いでも…」
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