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遠い日の約束。
第12章 それぞれの想い
「そうか…その想いだけでも伝えてやるといい。そして立花が話せるようになるまで待てばいい。それが上手く行くコツだ」

部長の言葉は不思議で、それでいいのかと思えてくる。
無理に聞きださなくても、私の想いを伝えてさえいれば全て上手くいくと。

「あっ…その角のマンションです…。」

家の近くまで来たので降りるマンションを教えた。
タクシーは止まり、ドアが開く。

「部長…今日はありがとうございました。色々相談に乗っていただき感謝してます…きちんと話して向き合いたいと思います。」

「まぁ…気負わずにやれよ。何かあったらまた聞いてやるからため込むな…」

「はい。」

挨拶をしてからタクシーを降りた。

「1人で寂しいだろうが考えるには良い時間だ…。ゆっくり休んで考えるんだな」

それだけ言い残してドアが閉まり、タクシーは走り出した。
小さくなっていくタクシーに深々と頭を下げた。
そして私は部屋へと足を進めた。
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