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遠い日の約束。
第14章 想いの深さ
やはり出ていくつもりだったのかと不安が的中する。
だけど、そうさせたのは私。
華を失いたくなくて、大事なことから逃げていた私の責任。
そのために華は傷つき悩み追い詰めた。
このまま華を出て行かせたら、華は一生後悔をして生きていく。
そうはさせたくない。
私の腕の中から抜け出すにしても、そんな思いはさせたなくない。
私のいない人生でも、笑って生きて行ってほしいから。

…もう逃げるのはよそう…

「きちんと向き合うから…逃げないで華と向き合うから…だから…」

出ていかないで…とは言えなかった。
こんな時でさえ、華に負担をかけさせる。
私の気持ちを華が理解していないはずはない。

「うん…待ってる。ちゃんとこの部屋で待ってるから…きちんと話そう?」

いつも華は私にやさしい。
大きな愛で包んでくれる。
なのに、私は何も返せない。
こうなっても、自分から華を手離してやることもできないでいる。

「華…」

ごめんね。
こんな私で…
今も昔も悲しませてばかりでごめんなさい…

私は華を抱きしめて華が寝付くのを待つ。
少したてば、華の寝息が聞こえ始めた。
今だけは、何も考えずに眠って欲しい。
嫌な夢をみることなく、現実の不安からも違う場所で安らいでほしいと願う。
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