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第14章 想いの深さ

『立花にも世話になったから言っとく』

安心していると、いきなり電話口に三宅さんが出る。

『…俺…転勤が決まった。』

その声はすっきりとしていて、三宅さんの中で結論がでたということだろう…

「別れる覚悟ができたんですか？」

『……いや…やり直すことにしたよ。新しく家族三人で……』

その一言に驚いた。
子供は、三宅さんとの間にできた子供ではない。
それなのに一緒にやり直す…

「それで…いいんですか？」

『…お前たちふたりのお陰だよ。あの時、一緒にいてくれたから、正しい選択ができた…』

「何もしていませんよ。ただ話を聞いただけですから…でも、三宅さんが決めたのなら私がとやかく言う事もないでしょう…幸せになってくださいね」

普通だったら到底受け入れられない事。
だけど、三宅さんは受け入れる方を選ぶ。
簡単なことではないはず。
それでも受け入れると言うことは、奥さんはきっと運命の相手。
私や華と同じ様に古より繋がっている相手。

『…ああ…部長に代わる』

次は部長に電話を回された。
説教されるのかと思ったけど仕事の話だった。