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遠い日の約束。
第14章 想いの深さ
『そっちはどうだ?』
「こちらですか…今日はただの食事会…いま2件目です。仕事の話は月曜日にということなので」
篠原さんの事は言えない。
部長が華に言うことはないとは思うが念のために言わないでおく。
『そうか…。無事に契約取れそうか』
「どうでしょうか…相手は取締役部長も連れてきましたが…どうにかしてまとめます」
『こっちのことは気にするな。草野もすっきりしたようだしな。声で分かるだろう?』
やはり、全てを話し華の気持ちを落ち着かせたのは部長だった。
さすがとしかいいようがない。
「すいません…」
『本当にお前たちは世話が焼ける…いい加減、自分の気持ちに素直になって落ち着け……出張が終わったらそのまま何日間か有給とれよ。草野と一緒にな…草野に代わる…さっさと切れよ』
部長の気遣いがうれしいと思った。
この会えない5日間のあとにゆっくりと話せる時間ができるのは有難い。
『もしもし?』
照れながら電話に出る華の表情が脳裏に浮かんだ。
いますぐにでも抱きしめたい衝動に駆られる。
「2人が傍にいるとは思わなかったよ」
『うん…一応、遠くに移動はしてくれてたんだけどね…俊樹の声が聞けてうれしくて…ふたりの存在忘れてた』
ケラケラ笑う華は、きっと本当に笑えていると分かる。
いつも無理やり笑顔でいたから。
「こちらですか…今日はただの食事会…いま2件目です。仕事の話は月曜日にということなので」
篠原さんの事は言えない。
部長が華に言うことはないとは思うが念のために言わないでおく。
『そうか…。無事に契約取れそうか』
「どうでしょうか…相手は取締役部長も連れてきましたが…どうにかしてまとめます」
『こっちのことは気にするな。草野もすっきりしたようだしな。声で分かるだろう?』
やはり、全てを話し華の気持ちを落ち着かせたのは部長だった。
さすがとしかいいようがない。
「すいません…」
『本当にお前たちは世話が焼ける…いい加減、自分の気持ちに素直になって落ち着け……出張が終わったらそのまま何日間か有給とれよ。草野と一緒にな…草野に代わる…さっさと切れよ』
部長の気遣いがうれしいと思った。
この会えない5日間のあとにゆっくりと話せる時間ができるのは有難い。
『もしもし?』
照れながら電話に出る華の表情が脳裏に浮かんだ。
いますぐにでも抱きしめたい衝動に駆られる。
「2人が傍にいるとは思わなかったよ」
『うん…一応、遠くに移動はしてくれてたんだけどね…俊樹の声が聞けてうれしくて…ふたりの存在忘れてた』
ケラケラ笑う華は、きっと本当に笑えていると分かる。
いつも無理やり笑顔でいたから。