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第14章 想いの深さ

このまま酔った振りをするならば部屋まで送り届けるのは仕方がない。
そこでどう逃げるか…
そんなことを考えているとタクシーはホテルに止まった。
ふらつく彼女の腰に手を回してフロントに行けば、すぐさまキーを渡してくれる。
そして彼女の部屋の鍵を見れば、最上階…スイートルームの部屋だった。
エレベーターに乗り込み最上階のボタンを押す。
その感、彼女は私にしがみつき上目遣いで私を見る…
その表情に色気も何も感じない。
最上階につき、ドアが開いた。
閉じないように開ボタンを押して彼女に声をかけた。

「つきましたよ。私はここで失礼しますよ」

「…歩けません…部屋まで…送ってください」

あからさまな誘い。
その後の展開など目に見えていた。
しかし、ここで押し問答を繰り返しても時間の無駄だと部屋まで送ることにした。
部屋の扉を開けて中に入り目に飛び込んでくるのは一面に広がる夜景。
思わず見入ってしまうほどだった。
それを眺めながら、ソファーに座らせて冷蔵庫からペットボトルの水を取り出して彼女に渡した。