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遠い日の約束。
第14章 想いの深さ
「今日は、ゆっくり休んでください…では」

そう言って逃げようとしても逃げられない。

「待って」

腕を掴まれて私に抱き付いてきた。

「…私…立花さんの事好きなんです…叔父様に我儘言ってセッティングしてもらいました…抱いてください…私を…立花さんのモノにしてください…」

胸を押し当てて、虚ろな目で見つめ、口を半開きにする。
普通の男ならこのまま押し倒してもおかしくない状況。
だけど、私には魅力さえも感じない。

「…申し訳ない…酔っている篠原さんを抱くことはできません…」

クライアントの姪という立場。
やんわりと断るしかない。

「酔っていなければいいんですか?酔っていければ抱いてくれるんですか?」

引き下がらない篠原さんは、私の手を篠原さんの胸に触れさせる。
正直…気持ちが悪い。
ここまで耐えていることが奇跡に近いとさえ思えてくる。

「正直…積極的な女性は好きではありません…あなたはそういう女性ですか?違いますよね?」

そういうと篠原さんは何も言えなくなる。

「ニューヨークで育ったせいか大和撫子のような方が好みなんです…ですから…焦らずに…ねっ」

「……は…い……」

渋々とだから了承する。
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