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第14章 想いの深さ

アメリカで仕事を初めて、日本に転勤が決まった。
出世街道から外れるけど頑張れと同期のメンツに励まされてたけど嫌ではなかった。
むしろ、うれしかった。
何がそんなに嬉しいのか分からなかったけど、早く日本に行きたくてウズウズした。
日本に渡り、数日間は住む町の探索をして色々見て回った。
そして出会った。
電車に乗っていると、ひとりの女性が乗りこんできた。
少し人が多い車内で、彼女は手すりに身体を預け、外を見つめ何を思っているのか儚げに見えた。
彼女のバックからバイブの音がなり、急いで電話に出て小さい声で話す。
少し聞こえて来る内容は、彼氏のようで少しがっかりした。
そして寂しそうな表情をして、今にも泣き出しそうなのに無理して笑っている姿が健気で心を奪われた。
電話切り、一息ついた瞬間に電車は揺れて、それと同時に彼女の身体が揺らいだ。
咄嗟に彼女の背中に腕を回し倒れるのを寸前に阻止した。
気分が悪そうな彼女を空いている席に連れて行こうと肌が触れた瞬間、パチッと静電気が起きて、身体中を巡った。
その瞬間に全てを思い出した。
私が葉月で彼女が美弥だと直感で感じた。
そうなると必然的に彼女は華と言うことになる。