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遠い日の約束。
第14章 想いの深さ
だから、あんな提案をした。
冬になると悪夢にうなされる華。
それはきっと、小さい頃の記憶だけではない。
あの湖に沈んで消えた命を魂が覚えているのだろうと察しはついた。
共に生きることを選ばず逝くことを選んでしまった私の責任だと強く感じた。
まだ私の事を思い出してもなく、三宅さんに気持ちがある華が私の腕の中で眠れるようにするには、卑怯なやり方でも、ああするしかなかった。
拒まれなくてよかったと思う。
もちろん、最初は私の事を警戒していた。
それでも私の提案に乗ったのは三宅さんのため。
三宅さんのためなら自分の身を挺しても彼を守る。
その思いは昔と何ら変らない。
それで自分が不幸になっても、それでも幸せだと思う心は生まれ変わっても変ることはなかった。
だけど、それでは華は幸せになれない。
華が幸せでなければ意味がない。
無理やりにしろ一緒に住むようになり少しずつ距離は縮まった。
何度、抱きたいと思ったことか。
何度、好きだと、愛していると告げようと思ったことか…
だけど言えなかったのは私の弱さ。
助けられなかったことへの罪悪感。
それでもただ傍にいらればそれだけで幸せだった。
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