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遠い日の約束。
第14章 想いの深さ
景色は、いつも見慣れた風景に変わっていた。
このスピードなら確実に10分内に到着できる。

『立花…』

先ほどと口調が変わり、私の名前を呼ぶ。

「どうしましたか?部長」

『…すまなかった…高宮をやめさせる時…もっと気を付けるべきだった。散々叱って、泣いて謝るあいつを見て、本当に反省してると感じた。だから警察沙汰にはせず、自主退職という形にした…俺の判断ミス…見通しが甘かった俺のせいでもある…草野をこんな目に合わせて…すまん』

言葉からでも分かる、部長の苦しみ。
この話を聞いてから、ずっとその事が心から離れなかったんだろうと思う。
昔から…そう、ずっと昔から子供のように見てきた華だからこそ、自分を許せないでいる部長の想いが手に取るように分かる。
私も同じだから。
あの時、助けられず苦しい人生を送らせてしまった。
また出会い、今度こそ幸せにしようと、泣かせることのない人生を歩ませたいと願っていたのにまた同じ苦しみを味合わせる…。
こんなに無力で苦しめるだけの存在の私ならば…と思わずにはいられない。
だけど、華を残して消えることもできない。
華が笑っていられる場所がなければ、私は…消えることもできない。
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