この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
「たっちゃん…」

彩ちゃんが旦那さんを呼ぶ。
しかし、その声は聞こえていないようだった。

「また…同じ苦しみを味合わせるのか…俺が与えてしまった苦しみを…」

私の胸ぐらを掴んでいた手を離すと、拳を壁に思いっきり打ち付けた。
そして鈍い音が病室内に響く。

「たっちゃん!!やめて!!たっちゃん」

必死に彩ちゃんが叫んでも旦那さんの形相は変わらない。
何かに取り憑かれたかのような…

…違う…

取り憑かれているわけではない。
これは…南和…。
そう。南和の目だ。
彼も、記憶がある?
分からない…
以前あった時は、穏やかで記憶はなさそうだった。

「やめなさい!孝弘君!」

おじさんが割って入り、私から彼を引き離した。

「たっちゃん?…たっちゃん?」

「…あっ…俺…」

引き離されて、漸く彩ちゃんの声が届いたようだった。

「大丈夫?」

頭を抱えて苦悩している彼を心配する。
しかし、彼は自分が何をしたのか困惑して青ざめていた。

「しゅうくん…申し訳ない…みんな…動揺しているんだ…」

おじさんは彼を庇いながら頭を下げる。

「いえ…彼が言ったのは事実ですから…私がもっとしっかりしていれば…こちらこそ申し訳ありませんでした…」

やっと謝ることができた。
/723ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ