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第15章 残された者の哀しみ

頭を下げながら、全てに対して謝罪する。
今だけではなく、遠い昔の犯してしまった罪までも一緒に。
これだけで許されるとは思っていない。
一生かけて償うつもりだった。

「立花…少し出ようか…」

部長が、私の背中に手を添えて病室の外に出るように促す。
私は一度頭を上げて、軽く会釈をして病室を後にする。
その時に見た華の顔が幼かった時を思いださせる。
あの時も…目覚めない華を残して病室を後にした…
廊下のソファーに座り溜息をつく。
私は、何度同じことを繰り返せば気が済むのか。
それが自分のことだったら耐えられる。
だけど、いつも華ばかりが辛い目にあう。
それも、私が助けられなくて辛い目に合わせてしまう…

「あれは…南和か…」

部長の言葉に頷いた。
あれは紛れもなく南和の魂。

「面白いな…あの時の家族がそのまま現世でも家族とは…そして南和は間違わずにいるべき場所にいる…」

「はい…記憶になくても覚えてるんだと思います…彩ちゃんはいつも自分を優先して甘やかしてくれるって言ってましたから…。彼は…覚えているのでしょうか…以前はそんな素振りはみせなかった…」

どうしても、あの時会った彼が覚えているとは思えなかった。
覚えていたら私が誰だが分からないはずがない。