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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
「そうだな…お前は知っておいたほうがいいだろう…あの後、麻耶や南和がどういう人生を歩んだのか…南和の最後は知っているが…麻耶は分からん…年齢的に俺が先に死ぬのは当たり前だからな…それでも生きているうちの事だけでも知っていてやれ…」
そう言って、遠い過去のことを部長は話だした。
─…
──…
───…
お昼になっても葉月と美弥は起きてはこなかった。
和尚は何か嫌な予感だけが体中をめぐり落ち着かなかい。
いつもは鉄斎に様子を見にいかせるのだが、その日だけは和尚自身が確認に行った。
そこには、いるはずのふたりの姿はなく静まり返っていた。
境内を探させたがどこにもいない。
いつもなら、どこに行くか告げてからでかける葉月が何も言わずに出かけるのはおかしかった。
これはきっと何かあると思い手分けして探すことにした。
葉月と美弥が行きそうな場所を手あたり次第探した。
だけどどこにもいなかった。
残すは例の湖だけだった。
だが、美弥に取っては不吉な場所で、そこは絶対にないと誰もが思い、探すのを最後にしていた。
最後の望みをかけて和尚と鉄斎と妙仁と湖に足を向けた。
そして、そこで見たものは…
南和に抱かれた葉月と美弥の姿だった。
この寒空の下、ずぶ濡れな三人を見て嫌な予感しかしなかった。
青白い顔、ピクリとも動かないふたり…
『南和…』
和尚は南和の名前を呼んだ。
南和はゆっくりと和尚の方を見て微笑んだ。
『いなくなっちゃった…』
そう一言だけ告げ、涙が流れ落ちた。
そう言って、遠い過去のことを部長は話だした。
─…
──…
───…
お昼になっても葉月と美弥は起きてはこなかった。
和尚は何か嫌な予感だけが体中をめぐり落ち着かなかい。
いつもは鉄斎に様子を見にいかせるのだが、その日だけは和尚自身が確認に行った。
そこには、いるはずのふたりの姿はなく静まり返っていた。
境内を探させたがどこにもいない。
いつもなら、どこに行くか告げてからでかける葉月が何も言わずに出かけるのはおかしかった。
これはきっと何かあると思い手分けして探すことにした。
葉月と美弥が行きそうな場所を手あたり次第探した。
だけどどこにもいなかった。
残すは例の湖だけだった。
だが、美弥に取っては不吉な場所で、そこは絶対にないと誰もが思い、探すのを最後にしていた。
最後の望みをかけて和尚と鉄斎と妙仁と湖に足を向けた。
そして、そこで見たものは…
南和に抱かれた葉月と美弥の姿だった。
この寒空の下、ずぶ濡れな三人を見て嫌な予感しかしなかった。
青白い顔、ピクリとも動かないふたり…
『南和…』
和尚は南和の名前を呼んだ。
南和はゆっくりと和尚の方を見て微笑んだ。
『いなくなっちゃった…』
そう一言だけ告げ、涙が流れ落ちた。