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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
麻耶は懸命に生きていた。
美弥の死を受け入れ、自分が犯した罪を背負って一人で生きようとしていた。
傍から見たら不憫でならなかった。
だから手を貸そうとする。
しかし、それを断って一人で耐え忍ぶことを選んだ。
美弥の死を受け入れられない母様と、受け入れた麻耶。
麻耶は母様の話に合わせ、会話をする。

『今日ね。美弥の所に行ってきたのよ。美弥には会えなかったけど、元気にやってるから安心しなさいって和尚様が教えてくれたの。今度は麻耶も一緒に行きましょうね』

寺から戻った母様は笑顔で告げた。
和尚様から美弥が死んだことを告げられても、帰ってくればその記憶は封印され、自分の都合のいい記憶に差し替えられる。

『そうなんだ。全然会ってないから会いたいな』

麻耶は妙仁が送り届けてくれたのを知っていても、それには触れずに母様に合わせ会話をする。

『美弥の所にも子供ができればいいのにね。』

本当ならば、現実であろうことを母様は口にする。
それが麻耶の心に影を落とすなど考えも及ばない。
それでも自分の罪を受け止めながら麻耶は母様に寄り添い生きていった。
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