この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
『それを聞いて安心だわ。麻耶…よかったわね。あなたの傍にずっていてくれる娘がいて…。麻耶…もう自分を責めるのはやめて、蘭子と幸せになることだけ考えてね。…あなたの苦しみは全て母様が…あの世に…持って…いく…から…』
母様の息が上がり、苦しそうに呼吸をする。
誰もがこれが最後なのだと息を呑み見守った。
『私の…人生は…幸せでした…』
『おまえ…』
『母様…』
『ばーばー…』
それぞれが母様の名前を呼ぶ。
その声に、母様は優しい笑顔を向ける。
『これで…美弥に会える…美弥の元に…行ける…』
それが、母様の最期の言葉だった。
美弥の死を受け入れられず生きていても、どこかでは分かっていたのかもしれない。
それでも母様は幸せだったのだろうと誰もが思う。
愛する人たちに囲まれて美弥の傍に行けたのだから。
それから1年。
父様も母様を追うように逝ってしまった。
『麻耶…悪かった…美弥と葉月を一緒にさせるために麻耶には酷いことをしたと思っている。同じ娘なのに…麻耶を傷つけることを選んでしまった俺たちを許して欲しい』
父様が亡くなる少し前、麻耶は父様とゆっくりと話をしていた。
母様の息が上がり、苦しそうに呼吸をする。
誰もがこれが最後なのだと息を呑み見守った。
『私の…人生は…幸せでした…』
『おまえ…』
『母様…』
『ばーばー…』
それぞれが母様の名前を呼ぶ。
その声に、母様は優しい笑顔を向ける。
『これで…美弥に会える…美弥の元に…行ける…』
それが、母様の最期の言葉だった。
美弥の死を受け入れられず生きていても、どこかでは分かっていたのかもしれない。
それでも母様は幸せだったのだろうと誰もが思う。
愛する人たちに囲まれて美弥の傍に行けたのだから。
それから1年。
父様も母様を追うように逝ってしまった。
『麻耶…悪かった…美弥と葉月を一緒にさせるために麻耶には酷いことをしたと思っている。同じ娘なのに…麻耶を傷つけることを選んでしまった俺たちを許して欲しい』
父様が亡くなる少し前、麻耶は父様とゆっくりと話をしていた。