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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
『だけど…強くなったな…あんなに子供で、甘えん坊だった麻耶が…今は一人前の女性へと成長した。もう、あの時の面影なんてない。もう…俺の役目も終わったと…そう感じるよ』

『やだっ…そんなこと言わないでよ…まだまだ父様には一緒にいてもらいたい。私の傍にいてほしい』

今にも消えてしまいそうな父様に抱き付いて涙を流す。

『子より親が先に逝くのは世の常だ…。俺は、お前を誇りに思うぞ。どんなに辛い事でも耐え抜いたんだ。すごいと思う。これからも蘭子と共に生きて行って欲しい…お前たちが幸せになるのが俺や母様、美弥や葉月の願いでもあるんだ』

『姉様の願い…』

『そうだとも。美弥は麻耶を許し共に幸せになる道を選んだ。結果的には命を絶ってしまったが…葉月と一緒に逝けて…よかったと思ってる…葉月と一緒なら美弥も寂しくないだろう?あの世で…幸せに暮らしてると思う…母様もそこに加わり、きっと笑顔で麻耶を見守ってくれてるよ…だから、幸せになることを怖がらずに幸せになりなさい』

その父様の言葉に亡くなってしまった人たちの分まで幸せになろうと決めた。
泣いていては心配かけるから。
笑顔で一生を過ごそうと決めた。
それから数週間後、父様は安らかな表情を残して美弥たちの元に旅立っていった。
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