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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
─…
──…
───…
「……」
自分たちが逝ってしまってからの話を聞いて、私の心は痛んだ。
美弥の想いだけに寄り添い、残された者たちの想いなど気にしなかった自分が許せなかった。
そして、それを今まで考えもしなかったことに自分を責める事しかできなかった。
「誰も…お前たちが命を絶ったことを責める者はいなかった。美弥の境遇を知ってるからな。それが一番の幸せのカタチだったのかもしれないと…嘆きながらも受け入れた…」
「あの時…美弥の表情を見て、生きていくことを諦めました。やっと心と身体が通じたのに…それでも生きていくことは美弥にとっては拷問でしかないと…あの表情から読み取ってしまえば…もう、逝くなとは言えなかった。美弥は一緒に逝くことを拒みました。けど、美弥のいない世界で生きていく自信などなかった。共に逝くことを願い…次の世でも必ず見つけ出すと約束をして…だから、嬉しかった…華を見つけた時はうれしかった…今度こそは幸せにしたい。私の手で、昔出来なかった幸せな人生を歩ませたいと願った…それなのに…あの時は南和に…そして今度は高宮に…部長…南和は…どうしていたんですか…美弥を不幸にした南和は…」
部長の話に南和の名前がでてこないのに気がついて問い詰めた。
一番の元凶は南和。
彼が幸せになる事は許したくない。