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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
『だったら誰が追い詰めた?ボロボロになってこの寺に戻ってきた美弥さんを私は見ています。あんな変わり果てた姿…それだけでは飽き足らず、麻耶さんがあなたに依頼したと精神的に追い詰めた…美弥さんが亡くなった時も、あなたが何か言ったんでしょう?』
『違う!!僕は…僕は…本当の事を言っただけだ!!』
『本当の事とは?』
一歩も引かず追い詰める妙仁に、南和は顔を真っ赤にする。
『だって…何年も一緒にいるのに、葉月は美弥を抱かない。それは美弥が穢れてるから!何度も犯されてるのに子供もできない…子供が産めない女なんて誰も相手にしない…子供も産めない美弥を葉月が選ぶはずがない!』
その言葉を聞いた瞬間、妙仁は南和を殴りつけていた。
身体は吹き飛び、障子を倒して廊下に転がり出た南和を尚も殴り続けた。
その大きな物音に集まった僧侶たちは、ふたりの間に入り妙仁を引き離す。
『何をやっているんだ。人に手を挙げるなど言語道断!!』
鉄斎が強い眼差しと言葉で妙仁を制した。
しかし、妙仁はソッポを向いて苛立ちを抑えられずにいた。
殴った拳はジンジンと痛みを伴い。これが人を殴る痛みなのかと初めて知った。
『何を騒いでおる』
騒ぎを聞きつけた和尚が姿を現した。
目の前に広がる光景に何が起こったのか察する。
『誰か南和の手当てをしてやれ…妙仁は来なさい』
『違う!!僕は…僕は…本当の事を言っただけだ!!』
『本当の事とは?』
一歩も引かず追い詰める妙仁に、南和は顔を真っ赤にする。
『だって…何年も一緒にいるのに、葉月は美弥を抱かない。それは美弥が穢れてるから!何度も犯されてるのに子供もできない…子供が産めない女なんて誰も相手にしない…子供も産めない美弥を葉月が選ぶはずがない!』
その言葉を聞いた瞬間、妙仁は南和を殴りつけていた。
身体は吹き飛び、障子を倒して廊下に転がり出た南和を尚も殴り続けた。
その大きな物音に集まった僧侶たちは、ふたりの間に入り妙仁を引き離す。
『何をやっているんだ。人に手を挙げるなど言語道断!!』
鉄斎が強い眼差しと言葉で妙仁を制した。
しかし、妙仁はソッポを向いて苛立ちを抑えられずにいた。
殴った拳はジンジンと痛みを伴い。これが人を殴る痛みなのかと初めて知った。
『何を騒いでおる』
騒ぎを聞きつけた和尚が姿を現した。
目の前に広がる光景に何が起こったのか察する。
『誰か南和の手当てをしてやれ…妙仁は来なさい』