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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
ずっと知らずに来た、南和の心に初めて触れて南和の寂しさを初めて知った。
いつも優しく寄り添ってくれていた南和にそんな思いがあるなんて気がつきもしなかった。

『それでも心は満たされない…そんな時に、麻耶が葉月とうまくいっていないのを知ったんだ。今だったら、麻耶は僕の元に戻ってきてくれるかもしれないって…何も知らない麻耶を抱いて…すごくうれしかった。これで麻耶は僕のモノだって。ずっと僕と一緒にいてくれるなら僕は何だってできるって…だけど、麻耶の心が僕に向くことはなかった。どんなに愛してもどんなお願いを聞いても…麻耶は僕を愛することはなかった…』

最後の一言が胸に響く。
何も知らずにただ快楽だけを求めて南和と身体を重ね、そこには愛情なんてなかった…考えもしなかった。
それなのに残酷な願いだけを一方的に押し付けてしまった愚かさを今さらながら感じ悔やんでいた。

『僕は…ずっと誰かに必要とされたかった…生きていていいんだって言ってほしかった…だけど…誰も僕の事なんか必要としない』

『そんなことない。私は南和が必要だよ。南和と一緒に生きて行きたいと思ってる。』
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