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遠い日の約束。
第16章 遠い日の約束。
昔から、好きだった人。
すれ違い、傷つけあい、それでも嫌いになれなかた人。
最後は、私と逝くことを選んでくれた最愛な人。
だけどそうであってそうではない。
魂は同じでも、今の私が好きになったのは葉月ではない。
私が好きになったのは…


「俊樹…」


そう、今、心から愛しているのは立花俊樹という人間。
そして私は美弥ではなく、立花華…

「寒くない?」

「うん。大丈夫…寒いけど…心は温かいの…」

そう告げると、チュッと髪の毛にキスをされる。
それがくすぐったくて幸せを感じる。

「一つ聞いてもいい?」

「何?」

すぐさま返事が返ってくる。
ずっと聞きたかったことを聞く。

「後悔してない?あの時、私と逝くことを決めて…」

そう、ずっと気になっていたこと。
この世があまりにも辛くて死を選ぼうとした私に、最後は何も言わずに寄り添ってくれた。
それが葉月にとってよかったのか分からない。
愛しい娘・蘭子を残して逝くことが本当に幸せなのか分からなかった。
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