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遠い日の約束。
第19章 後始末
篠原社長は大きな溜息を付く。
そして立ち上がり、篠原の傍らに膝をついて顔を上げさせた。
その顔には、流れた涙の痕がくっきりと残っていた。
「パパ…」
縋るようにパパと呼ぶ。
抱きしめるのだろうと思った。
抱きしめて、お前は悪くないとか言って娘を守るのだろうと思った。
けど、違った。
抱きしめるわけでもなく、優しい言葉をかけてやるわけでもなく、冷たい視線をなげかける。
そして、篠原社長の手があがり、篠原の頬をひっぱたいていた。
それも軽くではない。
篠原の身体が吹き飛ばされるほど強い力だった。
「お前と言う奴は…情けない」
冷酷な視線を娘に向けて、吐き出す言葉。
これが自分の娘に対して向けることばなのだろうかと疑いたくなる程だった。
「三宅くんと言ったね。この件に関しては私は関りあう気はない。警察に逮捕されるのならそれも仕方がないこと…それだけの事を、娘はやった。」
その言葉に驚きと怒りが込み上げてくる。
仕事の為に娘を切るということに人間として信じられなった。
「会社の為なら、娘でも切り捨てると?」
「…そう見えるか?」
俺の言葉に篠原社長は少し寂しそうな瞳をする。
そして立ち上がり、篠原の傍らに膝をついて顔を上げさせた。
その顔には、流れた涙の痕がくっきりと残っていた。
「パパ…」
縋るようにパパと呼ぶ。
抱きしめるのだろうと思った。
抱きしめて、お前は悪くないとか言って娘を守るのだろうと思った。
けど、違った。
抱きしめるわけでもなく、優しい言葉をかけてやるわけでもなく、冷たい視線をなげかける。
そして、篠原社長の手があがり、篠原の頬をひっぱたいていた。
それも軽くではない。
篠原の身体が吹き飛ばされるほど強い力だった。
「お前と言う奴は…情けない」
冷酷な視線を娘に向けて、吐き出す言葉。
これが自分の娘に対して向けることばなのだろうかと疑いたくなる程だった。
「三宅くんと言ったね。この件に関しては私は関りあう気はない。警察に逮捕されるのならそれも仕方がないこと…それだけの事を、娘はやった。」
その言葉に驚きと怒りが込み上げてくる。
仕事の為に娘を切るということに人間として信じられなった。
「会社の為なら、娘でも切り捨てると?」
「…そう見えるか?」
俺の言葉に篠原社長は少し寂しそうな瞳をする。