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遠い日の約束。
第22章 自責の念
「和尚様は…何も思わないのですか…南和の時は…堪えましたが今回ばかりは…」

「南和を許せても、若き当主は許せない…それはなぜ故か?鉄斎…おぬしも罪を犯した側の人間…それとも…お前の罪は許されても、若き当主の罪は許されるべきではないと罪の深さに優劣をつけるのか?」

和尚の言葉に鉄斎は目を見開き、そして項垂れるように肩を落とした。
鉄斎の罪…
それは鉄斎がまだ幼かった頃の話。
鉄斎は小さな村で家族5人で住んでいた。
緑豊かで、近くに小さな小川が流れ作物は毎年実り、小さな村でも豊かな暮らしができていた。
そんなある日、新しい根城を探していた盗賊に目を付けられ村は襲われた。
平和に暮らしてきた村人は反撃する武器も持たずに男たちは次々と殺され女たちは盗賊たちに慰み者にされた。
自分の姉が盗賊に犯されそうになるのを見た鉄斎は、近くに落ちている武器でその盗賊を刺し殺してしまった。
他の女たちを守るために、鉄斎は家に火をつけて、その火はたちまち大きく燃え広がり、その村と村人は一夜にして消えた。
残されたのは、血で手を染め呆然と立ち尽くす鉄斎のみ。
燃え上がる炎を見つめながら夜が明けるまで見続けていた。
その鉄斎を見つけて導いたのが和尚だった。
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