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遠い日の約束。
第22章 自責の念
「お前の手も血で染まっておる。だがな。それでもお前は生きておる。人を殺めてしまった時に苦しみ、そこから這い上がろうとするもがき…お前は知っているだろう…誰よりも若き当主の今の想いを理解してやれるだろう…それとも…忘れたか?あの幼かった頃の出来事は…」

和尚は鉄斎の掌を見つめながら問う。
その言葉に、鉄斎は自分の過去を思い出し、幼かった頃の想いまで蘇らせていた。
理由もなく村を襲い家族、友を殺された恨み。
理由が何であれ人を殺めてしまった後悔。
そして、その苦しみから抜け出すために葛藤した己自身。

「…平穏な生活の中で…いつしか忘れていたのかもしれません…私も和尚に助けられた身…罪人であるにも関わらずここで暮らす意味…思い出しました」

鉄斎は和尚の手を解いて一歩下がって頭を下げた。

「和尚様が私を導いてくれたように…私も若き当主を導きたいと思います…まだまだ未熟の身…ご指南の程よろしくお願いいたします」

和尚は鉄斎の言葉を聞き安堵した。
今回の事は宝賀だけではなく、鉄斎の成長をも導く御仏に和尚は手を合わせる。

誰もが幸せに暮らせるように。
誰もが心豊かにいられるようにと…
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