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遠い日の約束。
第3章 言い伝え
一緒に住むようになって朝と夜は極力作るようにしていた。
いつも美味しいと言って笑顔で食べてくるその笑顔を毎日見たいと思っていたから。
それに…

「だったら…光熱費や食費受け取ってください。」

それを言うと嫌な顔をする。
何度も受け取って欲しいとお願いしても受け取ってはもらえない。
そうすると家事で埋め合わせをしたいと思うのは普通の感覚じゃないかと思う。
それを立花さんは分かってくれない。

「またその話…いらないって言ったよね。女性に払わせるつもりはないと」

また同じことの繰り返し。
平行線で話は終わってしまう。

「立花さんはそれでいいかもしれませんが、私は嫌なんです。自分の家にいたってかかる金額なんですよ。何もせずに光熱費も受け取ってももらえない…居づらいです」

大きな溜息が聞こえる。
いつも立花さんの溜息は心臓に悪い。
何を言われるかビクビクしている自分がいた。

「華?何もしなくていいいとは言ってはいないよ?ただ無理をして欲しくないだけ。定時に帰れた時だけ夕食を作ってくれればいいから…」

「でも…」

言ってくれてる意味は理解はできる。
だけど、完璧にやりたいと思う。
立花さんのためにしてあげたいと…

「分かった…」

吐き捨てるように言った言葉が寂しく聞こえた。
だけど、やっと分かってくれたと安堵した。

「華が残業で遅くなりそうだったら私は外で食べてくるよ…」

冷たい一言だった。
私の想いが伝わっていない。
私の事を思っていると分かっていても、私の想いは届いていなかった
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