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遠い日の約束。
第3章 言い伝え
遅くまで仕事して帰ってきたのに申し訳ない気持ちを抱えながらキッチンに立った。
以前作り置きしておいたカレーのルーを使用したチキンカレー。
ナンは時間がかかるのでご飯で代用。
立花さんが上がってくる前に、テーブルの上にセッティングして少し待てば湯上りの立花さんが現れた。
濡れた髪と蒸気した肌。
それだけでドキドキしてしまう。

「どうかした?」

私の視線に気がついてソファーに座りながら不思議そうに聞いてきた。
私は何でもないと軽く流し手を合わせて食べ始めた。
今日も笑顔で食べてくれる姿を見て幸せを感じる。
先ほど喧嘩した余韻などない。
普通の…どこにでもある恋人同士のような甘い時間が過ぎていく。
そして今日も立花さんの腕の中で熱いキスを交わす。
恋心を認識してしまった私はその先を望む。
けれど、一度たりとも先に進むことはなかった。
どんなに熱く激しいキスをしても、その先に進むことはなく、暖かな腕の中で眠りにつく。
そんな生活が一ヶ月を過ぎた頃、冬から春に変ろうとしていた季節。
立花さんが急に思い立ったのか、冬のキャンプに行こうと言い出し、寒空の中でキャンプをすることになった。
場所は行ってからのお楽しみだと言われ、冬用のキャンプ用品も全て準備してくれた。
土曜日の朝、軽く朝食を済ませ、途中で食材とビールとワインを購入して愛車のランクルでキャンプ場に向かった
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