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SEASON
第2章 春は出会いの季節

あまりにも突然すぎて、
目の前で何が起こっているかスグにはわからなかった。
なんとか頭を落ち着かせ、言葉を絞り出す。

「なんで……」

「なんでって、矢塚が提出したノートでしょ?居眠りしててどんなレポート書いたのかと思えば…。官能小説が飛び出してきてビックリしちゃったよー」

そんな言葉も変わらず笑顔で吐き出し続ける。
何を企んでいるのか全く掴めない

とにかく、自分がとんでもないミスをしたことは理解した。
睡魔に襲われてた俺は、寝ぼけて小説用ノートを提出。
夏目の笑顔にイラつき、体育の授業に追われ、春の憂鬱さに苛まれ
スグに過ちに気づくことができなかった。

コイツが読む前に気づけていたら
今のこの状況は変わっていただろうか…

「で、ちょっと調べてみたんだけど」

その声にハッとなる。
俺が悶々と考え込んでいる間も、夏目は話していたらしい。
全然聞いてなかったが、今の言葉だけは耳に入ってきた。
どういうことだ…?

「いやぁ、コレもさ、自己満足で書いてるならまだいいんだよ。でも“まさか”と思って調べたら……ネットでヒットしちゃってね。矢塚はまだ18歳未満だろ?コレ、軽く犯罪だから」

あぁ、なんだかクラクラしてきた
俺ももう終わりだな…
このまま消えてしまいたい。
いっそのこと誰か俺を消してくれ
俺の思考はだんだんと闇に引きずり込まれていく。
そして、そこに射した一筋の光…

「でも、救ってあげられなくもないよ?」

その言葉はまるで希望の光
俺はそれにすがるしかなかった

「……どうすれば?」

「うーん、救ってほしいならね…」

夏目は立ち上がり俺に近づく。
後ろに回り込んだかと思うと、ギュっと首に抱きついた。

「救ってほしいなら、僕と遊んで?」

光は一瞬にして闇に溶けこんでいった…
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