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SEASON
第2章 春は出会いの季節
「ふーん、そう。じゃあ…」

俺を縛っていた手がほどける。
その一瞬のスキをついて夏目の横をすり抜けた。

“逃げたりしないよね?”
その答えは言うまでもなく“NO”だ。
男に犯され続けるなんて堪えられるはずがない。

これはきっと最初で最後のチャンス
俺は必死に扉を目指した。
この部屋を抜け出せれば状況を変えられるはず…
脳内は次の動きを高速回転で考えていた。

しかし、目の前しか見えてなかった俺にもスキがあったようで、
不意に腕を強く引かれてバランスを崩してしまった。

気づいたときには夏目の腕の中にすっぽりと収まっていた。

「いけないなぁ…」

体重がかけられて2人一緒に倒れこむ。
夏目はスグに体勢を変え、俺の腰に跨がって動きを封じた。

「僕の言うことを聞いていれば救ってあげるのになぁ。…どうする?まだ逃げる?」

…馬鹿馬鹿しい
どうやったって逃がす気なんてないクセに。

打ち付けた背中が痛い
広がっていくその痛みに自分の無力さを感じさせられた。
あぁ、身体の力が抜けていくような…

俺はなすすべもなく顔をそらすことしかできなかった。

「ふふっ…優しくするから、いい子にしててね?」

そう言って夏目は不敵に微笑んだ
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