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依存体質
第3章 調教
「空いた部屋はある?」
「あります、というより私の部屋がありますので…」
「いいね!女の子の部屋へいきなり…というのもソソりますね」
「……」

部屋を案内する私の顔は、いつも暗く暗く曇っている。
相手の男はそれを知らずに、はつらつとした声で話し込んでいる。

長い廊下の一番奥の突き当たりは父の書斎
その一つ手前が、私の部屋。

「こちらです、どうぞ」
「いやいや、失礼します」

黒と白、豪華なのに色味のない部屋。
いや、色味がないのに嫌に豪華なのが不気味な部屋だ。

「すごいね…圧巻だ。杏ちゃんこういうのが趣味なの?」
「私の趣味ではありませんが、嫌いではありません」

「それってどういう意味?」
「…お答えしかねます」

京川樹は、身震いをした。
ただの可愛らしいお嬢さんかと思って侮っていたからだ。

ハラリ
杏は羽織っていたストールをベッドに置き、髪留めで束ねていた髪をふっと解いた。
その美しく淫靡な光景に目を奪われていたが、樹は慌てて制止した。
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