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第3章 調教

｢あ、ちょっと待って！｣
｢…なんでしょう？｣

｢杏ちゃん、今分かったよ。君はいつもこういうことをしているんだね｣
｢……｣
｢ごめん、僕が間違っていた｣
｢…どのような意味ですか？早く始めませんと商談が終わってしま…｣

チュッ
｢！！｣
｢ごめんね、怖がらせてしまって。そんなつもりはなかったんだ｣

何？何を言ってるの？この人は…
唇を押さえて固まりながら、私はいつもと違う展開にとても戸惑った。

｢僕は杏ちゃんの噂なんて聞いたことがなかった。大体、性接待をしている女性の名は業界でも有名になるはずなのに｣
｢杏ちゃんが性接待をしているなんて全く知らなかったんだ…｣

ガシガシと頭を掻いて、都合の悪そうな顔をする彼。
ああ、そうか。性接待している汚い女なんて嫌ってことね。

｢私のことは、業界でもトップシークレットとなっておりますからね…知っていても皆さん話せないのです。樹さん、どうされますか？私のことをお気に召さなければこのままお戻りいただいても…｣

｢そうしようかな…僕は杏ちゃんとこういう形で”初めて”を体験したくないから｣
｢…え？｣
｢２回も言わないよ、恥ずかしいからね｣