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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第2章 初戀のひと
泉は敢えて無機質に話し始めた。
「…昨夜、俺は貴保子様と再会した。…その場に暁様も偶然いた…。…貴保子様が…親が決めた婚約者と結婚していたのに俺はショックを受けたんだ。…やっぱり金のない生活を送る自信がなかった…とも言われてさ…」
泉の貌に苦い昨夜の記憶が蘇る。
…初恋の人の残酷な言葉…。
「…落ち込む俺を、暁様は優しく慰めてくれた。
…きっと、良い人に巡り会えるから…て」
あの時の暁様の優しい言葉と温もりがなければ…俺は立ち直れなかった…。
月城は瞬きもせず、泉を見据えている。
「…それから…?」
「…で、俺はつい…暁様を抱きしめて…キスしてしまったんだ」
月城の手が、泉の胸倉を掴んだ。
「…ちょっ…!…くるし…っ…」
「…何回だ」
地獄の底から這い登るような兄の声が響く。
「…へ…?」
「…何回、キスした…⁉︎」
「…い、1回…いや…2回…かな…」
ぎりぎりと喉元が締め付けられる。
「…どっちだ⁉︎はっきりしろ‼︎」
「…に、2回…2回だけだよ…それだけだって…ぐるじい…っでば…!」
手足をバタつかせて悶絶する泉に、薫のきゃっきゃ喜ぶ笑い声が辺りに響き渡る。
「…か、薫様…遊びじゃないんだってば…」
悶える泉を、月城が突然突き放す。
「わっ…!」
「本当に、それだけだな…?」
…名うての特高だって今の兄貴を見たら裸足で逃げ出すだろう…。
泉は震え上がった。
「それだけだよ。俺が無理やり暁様にキスしたんだよ。俺も我に返って…なんてことしちゃったんだ!て慌てて謝ってその場から逃げ出しちゃって…。
…あ、暁様…怒ってない…?」
恐る恐る尋ねる泉に、月城は腕組みしながら答えた。
「…大層気に病んでおられた…」
「…やっぱり…」
…どうしよう…と頭を抱える泉に
「…別の意味で…だがな…」
と、月城のやや苦々しい呟きが聞こえてきた。
「…へ…?」
きょとんとする泉に月城は咳払いをし、再び詰め寄る。
「…分かっているだろうが、もう二度と暁様に触れるな。今回のことはお前の失恋に免じて目をつぶってやる。…だが…」
再び、壁が激しく叩かれた。
「わわっ…‼︎」
「…二度目はないぞ」
兄の瞳からは冷たい…しかし滾るような怒りの炎が見えた。
「わ、分かった!分かったよ!…もう二度と暁様には触れないよ!」
…でも…
「…でも…好きでいてもいいだろう…?」
自然に口から溢れ出ていた。

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