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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
…二人のくちづけは長く、いつまでも続いた。
薫が知るキスとはまるで違うキスだ。
母や父や菫、祖父母とするキスと全く違う。
たまさか両親が唇にキスをするところを見ることがあるが、こんなにも激しく…生々しくお互いを求めあい、奪いあうようなものではなかったのだ。
…薫は固唾を呑んで見守った。

始めは月城は優しく労わるように暁の唇に自分のそれを重ねていたが、次第に荒々しくくちづけを繰り返し、暁の頬を両手で挟み込み、その美しい髪を乱すようにしながら、彼を翻弄し続けていた。

「…んっ…あ…ああ…つきしろ…逢いたかった…ずっと…」
暁の甘く掠れるような声が聞こえる。
…今まで聞いたことがないような甘く切ない声だ…。
「…暁様…私もです…」
これがあの冷静沈着な美貌の執事の言葉とは思えないほど、熱い情熱を感じる声であった。
そして尚も暁の形の良い唇を、噛みつくように奪い続ける。
「…ああ…んっ…だめ…も…う…誰かきたら…」
「…暁様…愛しています…」
月城に低い声で耳元に囁かれた途端、暁は自分から月城の首筋に腕を絡め、くちづけを求めた。
「…ああ…つきしろ…愛している…!」

…薫の知る暁は、綺麗でいつも物静かで品があって…乱れた所や、感情を露わにすることは一度もないような…そんな清楚な人物だ。
しかし今、薫の前で美貌の執事と抱きあい、くちづけを重ねあい湿った声を上げる暁は、まるで別人であった。

白く透き通るような肌は桜色に染まり、黒目勝ちの美しい瞳は潤み、男を妖しく見つめている。
その薄紅色の唇は、月城により何度も奪われたため、赤みを増し、いやらしい形に腫れ上がり濡れていた。
…何より、二人がくちづけを繰り返す度に聞いたことがないような湿った水音が薫の耳に届き、月城の男らしい舌が暁の薄い紅色の舌を絡め、千切れるほどに吸い尽くす様子が余りに衝撃的で、薫は心臓の高鳴りを抑えきれずに、苦しげに息を吐いた。

…苦しいだけではない、身体の奥から湧き上がる今まで体験したことがない昂揚感と妖しい熱情に薫は翻弄されていた。

…その時だ。
そっと肩に何かが触れる気配を感じ、薫は咄嗟に振り返る。
そこには、暁人が佇んでいた。
彼は穏やかに薫に笑いかけた。
「…何だ、ここにいたのか。探した…」
薫は慌てて暁人の手を取り、東屋の陰に彼を引き込んだ。

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