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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
暁人が驚いたように声を上げる。
「なんだよ、急に…」
「しっ!…静かに…!」
薫は唇の前に人差し指を立てて、暁人を諌める。
そして楠木の方に、視線を促す。
暁人が怪訝そうな顔をして、木立の方を見遣り…その瞬間、驚愕したように眼を見開いた。
驚きの余りに、声を上げようとした暁人の口を薫が咄嗟に手で塞いだ。

暁人の眼は、楠木の下で抱きあい、激しくくちづけを交わしあう月城と暁を信じられないように凝視していた。

「…愛しています…暁様…」
荒々しいくちづけの合間に、月城は愛の言葉をかき口説く。
「…僕もだ…。二カ月も君に逢えなくて…おかしくなりそうだった…」
「…私もです…貴方のことを毎日…いえ、一日中思い出していました…いかに私が貴方を激しく愛しているかを思い知らされました…」
暁は美しい眼を細めて微笑んだ。
「…嬉しい…。ねえ…もっと…キスして…」
「…暁様…!」
月城が端正な眉を苦しげに顰め、暁の顎を引き寄せ、獰猛な野獣のような荒々しい…しかしどこか甘いくちづけを与える。
「…んんっ…あ…ああ…つきしろ…すき…!」
暁の甘く啜り泣くような声が聞こえる。
「…このまま、貴方を抱きたい…!」
苦しげに月城が低くく呻く。
「…だめ…それは…だめ…」
暁が月城の氷の彫像のように整った貌を愛しげに撫でる。
「…今は…だめ…。キスだけで…我慢して…」
「…暁様…!」
二人は甘く膿んだように濃い眼差しで見つめ合い、再び舌を絡めあった。
その切なげな吐息は暁の妖しい香気とともに波紋のように辺りに広がった。

…暁人が苦しそうに呼吸を荒げる。
明らかに二人の姿に興奮を覚えている様子だ。
熱い吐息が薫の手のひらに当たり…無意識なのだろうが、暁人の唇が薫の指に苦しげに押し当てられた。

薫も何だかおかしな気分になったので、そっと暁人の口から手を離した。
暁人の切なげな眼差しと一瞬目が合う。

暁人が薫の耳元に囁く。
熱い吐息が掛かり、薫は思わず背筋を震わせた。
「…ねえ…二人は…恋人同士なの…?…男同士だけど…」
暁人のいつもと違う熱を帯びた眼差しが薫を捉える。
「…わかんないよ…そんなの…でも…」
…そうなんだろうな…
薫は情熱的な…そして美しい恋人達を再び見遣る。

…遠くで泉が薫を呼ぶ声が聞こえた。
薫はさっと立ち上がり、小声で暁人を促した。
「…行こう…。泉が来たらまずい…」
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