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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
「…んんっ…あ…ああ…っ…つきしろ…い…いっ…!」
「…暁様…!…」

寝室からは蒸し暑い真夏の夜の帳に溶け込むかのような熟れた声と甘い喘ぎ声が漏れている。
…廊下には点々と、暁の脱がされた衣服が点在していた。

深夜に月城が帰宅をしたのを聞きつけると、暁は裸足のまま三和土に降り、抱きついた。
月城の首筋に腕を絡め、自分からくちづけをする。
「…んっ…あ…ああ…会いたかった…つきしろ…寂しかった…」
「…暁様…」
涙ぐんで自分の唇を貪る暁が愛おしくてならない。

…暁がパリに海外出張に赴き、二カ月間二人は会えなかった。
こんなにも離れていたのは、二人が恋人同士になってからは初めてのことだった。

暁は一昨日帰国したのだが、月城は勤務中で会いには行けなかった。
縣家で開かれたガーデンパーティーで漸く再会できた。
二人は堪らずに裏庭で激しく抱きあい、唇を貪りあったのだ。

「…私もです…貴方がいない毎日は、心にぽっかりと穴が開いたようでした…」
月城が、暁のしっとりとした練絹のような白い肌を愛しげに撫でる。

…暁は歳を重ねるごとに美しくなる。
透き通るような白い肌は年々艶を増し、真珠色の輝きを放つようになった。
黒い瞳は月城を見つめる時、常に潤んで濡れそぼり、唇は艶めかしくしっとりと露を含んだように瑞々しい…。

…二カ月も…私はよくもこの美しい方なしで生きていられたものだ…。
月城は体内から湧き出る欲情を抑えることなく、暁を強く抱きしめる。
…艶めかしい異国の花のような薫り…。
男心を唆る妖しくも淫らな薫りだ…。

内側から照り輝くように艶やかな肌を撫でつつ、唇を情熱的に奪う。
暁の薄紅色の唇は震えながら、月城のくちづけを受け入れる。
月城は暁の柔らかな唇を食むように奪うと、白い歯列を熱い舌で押し開き、まだ慎ましやかに控えている舌に強引に絡め、獰猛な野獣のように吸い立てる。
「…んんっ…!…あ…は…あ…っ…」
巧みなくちづけを続けながら、暁のシャツを器用に脱がせる。
…暁の素肌はきめ細かくしっとりと潤い、触れると吸い付くようであった。
月城は荒々しく暁のベルトを外し、スラックスを下着ごと下ろす。
夜とはいえ暖かな電灯が灯る下、暁の素肌が全て露わになる。

「…い…や…はずかし…」
白い頬に朱を上らせて、いやいやをする。
月城は、無言で廊下の床に暁を押し倒した。

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